久々のブログで恐縮している。今回もカンボジア出張中に作成する羽目になったが、意外と海外出張中は雑用に追われることが少なく、ブログが書けるような時間が出来る。
今回は、ホテルから配られた「The Phnom Pen Post」という新聞の内容を見て、知識不足ながらも「日本の外交」について日頃感じていることを書いてみたい。英字新聞の記事が読めるわけではないが、どの様な内容が記載されているかは、見出しを見れば内容はある程度は理解出来る。
今朝は日本関連として、「Merkel, Abe differ on how to kick-start world economy」という記事が、「タカタ」の巨額賠償ニュースとともに出ていた。
中国やカンボジアに出張していると、日本では取り上げられない世界中のニュースがテレビや新聞で知ることが出来る。また、世界中では日々いろんなことが起こっており日本の存在感はそれほど大きくは無いことも思い知らさる。特に中国では日本の良いニュースは意識的に避けていて、その点では偏りがあるように思うこともあるが、中国のCCTVが、南米やアフリカのニュース取り上げているのを見ると、日本でも日本に直接関連の無い出来事もニュースとして報道するべきだと感じている。
日本の社長さんだが、本部をシンガポールに移したことにより、世界中の出来事がテレビや新聞のニュースで知る事が出来る為、今後の世界経済の見通しについて判断の精度が高まったという談話を読んだことがある。日本のマスコミの海外報道を見ていると、日本が中心の感覚で、世界の人から見ると客観性に欠けているように思えてならない。
さて、本題の日本の外交だが、これまでの政権に比べて、安倍政権はこれまでに無く健闘していると思っている。今回のドイツ メルケル首相との会談では、経済運営の方法について意見の相違があったが、経済運営に対する日本の考え方はしっかり伝わったと思う。また、昨年末の韓国との慰安婦問題での対応についても、適切な対応が出来たと思っている。つい先日は岸田外務大臣が、中国の外相と会談し、その後ミャンマーでスーチー女史との会談が出ていたが、首相、外相ともハードスケジュールを良くこなしていると感じる。
さらに、先日のG7広島外相サミットでの平和慰霊碑訪問、さらに、オバマ大統領の伊勢志摩サミット時での広島訪問を実現できたことは、日本の外交の成果だと思う。
しかし、これらの外交努力とは別に、世界から見ると日本の存在感は薄く、近年の中国の台頭に伴い、さらにその傾向が進んでいると感じる。そこには、日本の独自の国家の理念が明確にされず、どの様な国を目指すのかがはっきり海外に伝わらないことがあるのではと考えている。
それでは、外交の柱として日本が世界に向けて発信しなければならない国家の理念というものは何かということだが、経済、クールジャパンでの日本文化だけでなく、唯一の被爆国として、世界の非核化を目指す姿こそが、日本の外交の基軸だと考えている。
しかし、今のままでは近隣の中国や韓国からは信用されない。私自身は決して、現行の憲法を永遠に維持したいとか、非武装中立という立場ではないが、第7条の議論に入る前に、まだまだ、日本として世界の平和維持になすべき役割はあるのではないかと思っている。今回のオバマ大統領の広島訪問の答礼というのもおかしいが、是非、安倍首相には在任期間中に、ハワイの真珠湾に行き、「不戦の誓い」を行ってほしい。それが世界に向けての大きな平和メッセージになると思うし、日本の世界へ向けてのメッセージになると考える。
米ソ冷戦時代は、アメリカの核の傘の下で同盟を守って貰っていたので、独自の路線は出しにくかったが、状況は変わったと思う。現在のロシアが日本の領土まで侵略してくることは先ず考えられないし、中国も歴史的に文民統制のグリップが効いている国で、自らが戦争を仕掛けてくる国とは考えられない。韓国や話題の北朝鮮にしても、侵略してくるという情勢は考えられないと思う。「領土問題の解決は外交で」というのが世界中のコンセンサスなっており、経済も相互に深く関わりあうようになっている。
今回のドイツのメルケル首相との会談だが、お互い核を持たない国同志として、経済だけでなく世界平和に向けても共通のメッセージを出せるようにしてほしかった。