今回も、続けて海外出張先でブログを書くことになった。今日は中国の子会社浙江蒂娜尓(ティナー)時装有限公司に来ている。こちらでの爆買い報道が日本でもニュースになっていると思うが、11月11日は中国の光棍節(シングルスデー)と重なったのでそのことをお伝えしたい。
「11」という数字が中国では独身=シングルを意味し、11が重なるこの日は、阿里巴巴(アリババ)というモールに参加している各会社が、原則として、この日に限って全ての商品の価格を半額以下にし、しかも他にプレゼント等の特典を付けて売り上げを競っている。昨年もこの日に出くわすことになったが、今年の勢いはさらにすさまじいことになっており、中国人の物に対する購買意欲はまだまだ旺盛と言って良い。
先に紹介したアリババという会社のネットモールが仕掛けた中国での一大イベントは、歴史は浅いが今や一日の販売額が世界一となっている。午後4時の売り上げの集計では、ファーウエイという携帯電話会社が1位に、衣料品では日本のユニクロが1位になっている。女性の下着部門では広州の歌瑞尓(グリアー)がトップに、日本のワコールは8位に付けている。
当社の子会社でも、昨日から杭州の販売部門の人間がこちらに来て徹夜で準備をし、午前0時の販売開始から、それこそ24時間体制で対応している。また、会社のショールームだが、朝から地元の人がひっきりなしに買いに来て、大変にぎやかなことになっている。
この現象を目の当たりにすると、中国人観光客の爆買いについて、日本では冷やかしのような報道が多いが、彼らの購買心理を研究し、商品開発やマーケッティングに生かすことが必要だと確信する。
ところで、肝心の中国でのネット販売だが、スタートして丸2年が経過した。このビジネス、日本人の小生はとても関与出来ず見守るだけだが、中国の総経理が渾身の精力を傾けて取り組んでいる。しかし、なかなか思うような成果が出ていない。10月より杭州のまだ27歳で西安がある甘粛省出身の女性と共同出資する形で再スタートを切ったが、まだまだこれからの状況となっている。このブログを読まれた方は、日本の弊社サイト「グラモア」と中国サイト「琴瑟在御(チンスザイイ)」を検索して、是非批評をしてほしい。
今回中国では、モデルを切り替えて西洋人を使うことにした。撮影の仕方だがインポートテイスト、当社の中国人総経理、また、提携した27歳の女性からはこの方が売れるとの意見だが、日本のサイト運営のスタッフからの評価はそれほどでもない。中国で撮影するモデルの費用だが、日本より相場が高くなっている。その分かも知れないがモデルの質は中国の方が良い。この様なモデルを使うなら日本のサイトの方ももっと売れるという声が日本のスタッフからは聞こえそうだ。
中国のネット販売だが、買い手の心配と売り手の代金回収のリスクを解決した、アリババが運営する「天猫 Tモール」が登場し劇的に発展を遂げた。流通がまだ発展していない中国では、ネット販売の比率が日本より高く、人口も10倍多いことから、成功すれば大きな成果を生み出せる可能性は高い。しかし、下着市場を取ってみても競争は日本よりはるかに厳しい。また、運営経費の面でも、買い手との交渉をするチャットを行える人材を置く必要がある。また、日本では買う場合に参考になるレビューだが、ほとんどが自作自演になっており信用が出来ない。また、検索順位を上げる為に、関係者に見せかけの注文を出して貰う等、まさに仁義なき戦いの場になっている。この中でいかに混沌とした下位競争から上位に抜け出すかは簡単では無いと思う。
今回提携した相手は、杭州でもネット販売で一定の成功を収めており、整った生産背景を持ちたいとのことで、互いの長所を結び付けて軌道に乗ればと思っている。
一方、日本の当社の方だが、今回「育乳ブラ」を10月より発売開始した。幸い、購入したお客様からのレビューは好評を得ている。さらに、「サラコレクション」というブランドを、これも10月から偶然引き受けることとなった。4月社名変更に伴い、自社サイトは廃止し楽天、アマゾン等で販売しているが、出張中の今週から「楽天のお買いものマラソン」が始まり、これまでの最高の売り上げを記録している。ネット販売だが、経費を掛けていない日本の方が、現時点は先行しているようになっている。