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BLOG2015.10.17
中国レポート

今年は本当に忙しくブログを書く時間が無い。今回も中国出張中にホテルで寝る前に書くことになった。
最近は日中間の政治的冷え込みや、日系企業の撤退もあり、中国についての関心は一時よりは薄れていると思うが、世界経済にとって中国の景気動向は大きな影響力を持つようになっており無関心では済まされない問題になっている。そのことについて、最近の中国の事情を肌感覚でレポートしたい。
本年は、中国子会社の総経理が年度初めに代わったこともあり、ほぼ毎月定期的に中国に行くようにしている。当社の工場がある所だが、上海と隣の浙江省の紹興市、その中の諸?(ショキ)市、上海から車でほぼ3時間という所にある。面積は福井県の越前地域とほぼ同じで、人口は100万人、市の中心部は30万人の都市となっている。世界中の靴下40億足を生産しており、繊維の盛んな町で、中国の中でも所得レベルが高い方だと思っている。

今年に入って、車の交通量が本当に増えたとの印象があり、社員の通勤でも一割近くがマイカー通勤になっている。また、至る所で現在もマンションの工事が進んでいる。しかし、聞くところによると30万人の都市だが、既に70万人が住めるマンションが出来上がっており、新しいマンションでは、まだ誰も住んでいない所や、半分も埋まっていない物件が多い。
これは伝聞だが、中国では既に54億人分のマンションが出来ているとのこと、7%の経済成長を続けるには、さらに前年比7%以上のマンションを作り続けなくてはならなくなると考えると、このことだけでも成長を続けることは難しいように思える。北京や上海では、需給のバランスが取れて価格も維持されているようだが、経済力がある当社の地元でもこの有り様なので、他の地方都市では悲惨な所も出ているのではと想像できる。
幹部社員の旦那さんだが、地元の上場企業に勤務しており、昨年は社員旅行でシンガポール、今年は日本に行くという話を聞いた。しかし、それは例外で、今年になってからは、社員の募集が比較的容易で、地元企業の業績は良くない所が多いようだ。
出張で常宿するホテルだが、4、5年前にオープン、設備は超一流だがサービスは二流以下で、従業員が良く入れ代った。しかし、今年になって人も定着、サービスは大幅に改善された。しかし、オープン以来人件費は高騰したと思うが料金は変わっていない。
ここからは、一般的な新聞や経済誌の情報になるが、既に乗用車の生産能力だが需要の倍近くになっており、鉄鋼業等素材産業も大幅な供給過剰になっている。その中で、弱小の民営企業が環境や安全面で当局の規制で廃業が起こっているが、国営企業がシェアを高めることは、はたして良いのか疑問に思う。その様な現状を考えると、今後中国の成長力は急速に衰えるのではないかと予想している。

これからは、全くの余談だが、中国出張では小松⇔上海浦東の中国東方航空を使っている。上海空港カウンターでエコノミーのチェックインに一時間以上並んだこともあり、少々贅沢だがビジネスクラスを使っている。そのことで最近驚いたことを紹介したい。
7月の出張時だが、飲み物としてワインを注文したがなかなか出てこない。しばらくして、日本人のCAを連れてきてワイングラスが無いのでコップで良いかという説明だった。出てこなかったのはグラスが無かったことが原因のようだ。9月の出張の折は、昼食に洋食を依頼したが、今度はパンが出てこなかった。
パンは無いのかという質問に対し、置いていないとの回答、クレームをつけるとやはり日本人のCAを呼んできたが用意はしてあったようだ。常識では考えられないあきれたサービスになっている。今回の10月の出張だが、従来のビジネス席は2列8シートだが、今回は3列12シート、設備も新しく良くなったかなと思ったが、足置きが窓側、通路側とも壊れていて、反対側の窓側だけが正常となっていた。
中国東方航空は国営企業、それを利用した人は気づくと思うが、監視員のような人物が必ず一人乗り込んでいる。また、ビジネスには二人のCAがいるが、一人は全くと言って良いほど仕事はしない。飛行機が飛び立つとカーテンを閉めて、二人でぺちゃくちゃと会話をするのが良く聞こえる。
小松便が出来て以来良く利用するが、今年になって特にサービスが落ちたとの印象を持っている。上海万博の前の頃、一時期経営危機のうわさを聞いたことがあるが、経営に問題があるのではと心配しているし、また、上に立つ経営者の質が悪い為に、社員教育がなっていないのではと思う。今後重大な事故を起こさないことを願っている。

今回のレポートは、けっして中国のことを嫌いで悪口を言っている訳ではないが、最近統制が厳しくなっているように思え、また、非能率の国営企業がシェアを伸ばすのは、中国の発展にとって良くないと思いで、このようなレポートを書かせてもらった。
民間の活力を生かすような政策を行わないと行き詰まりが早く出てくるのではないかと思うが、今の体制では期待が出来ないのが現状だ。