5年前だったか、楽天が社内公用語を英語に切り替えるということが話題になった。賛否両論、様々な批評が出たことはお覚えている人も多いと思う。近年では、ユニクロをはじめグローバル展開する企業や、外国人が役員に就任した企業では、役員会の公用語に英語を使う企業も出てくるようになった。
楽天のことは、私自身も大変関心があり、「グラモア」というショップ名でネット販売をスタートさせた関係で楽天の担当者とは直接会う機会があり、社内での英語の普及状況を尋ねたことがある。はたして日本の会社でそのことが定着するか、社員の多くはどの様にこのことをとらえているのか興味深かったが、印象としては、国内の店舗のコンサルト部門では、それほどではないと思った。
ところが、今月の日経ビジネスでの楽天の特集では、ここ数年の海外進出が目覚ましく、その発展の原動力は社内公用語英語に切り替えたことが大きな要因になっていると書かれており、三木谷社長のインタビューでも、現在の発展は、そのことが無かったら現在の姿にはならなかったと答えている。
ネット販売では、シェア率一位が圧倒的な地位を占めており、日本では楽天がその地位にある。中国ではアリババがその地位を占め、楽天は撤退を余儀なくされた。しかし、中国以外の世界市場で、台湾やインドネシア、さらにM&Aを使って欧米市場への進出等、ここ1、2年の目覚ましい発展は、公用語に英語を使って海外でも通用する人材に育てたことと、外国人も積極的に受け入れられる風土作ったことが、大いに影響しているとのことだ。
但し、英語を社内公用語に切り替えるということは、簡単ではないと思っている。そこには、三木谷社長の強い意志と、習得に当たっての配慮があったと思う。初年度は、勤務時間時間中の学習も許容する度量もあり、2年目のTOEICの平均スコアは650点程度だったが、昨年は850点となったと話している。
翻って、イーゲート(Eastern Garment & Textile)と社名を変更した当社でが、名前にふさわしい内容になるのは、まだまだこれからだと思う。社長の私自身も、息子のアメリカ留学を合わせて、3年ほどネイティブの方から個人レッスン受けて事があるが、ビジネスで使えるには程遠いレベルのままだ。また、昨年英語が少しは出来そうな社員を対象に、会社で英語教育をしようかと持ちかけたが、現在の仕事が忙しすぎるという理由で、その企画は没となった。
しかし、英語、中国語が出来る社員を増やすことは急務の課題となっている。遠からず、日本での立地はローカルだが、中国語、英語がビジネスとして使える人財が幹部を占めるようにしなければと考えている。