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ニュース安部内閣の地方創生 (地方再生?)
BLOG2015.1.21
安部内閣の地方創生 (地方再生?)

昨年のイーゲート社長のブログだが、日本にいると様々な用事が入ることもあり、原稿の作成は、急な用事に煩わされない海外出張中がほとんどだった。

 

今年は、最低でも月一回は、会社か自宅で作成することを目標にしたい。

 

是非、今年も読者の皆様からは辛口のコメントをお願いしたい。

 

さて、表題に掲げた第二次安部内閣の目玉の「地方創生」、大物の石破大臣を起用したが、年末に選挙もあり具体策はまだ示されていない。むしろこのままでは掛け声だけで終わりそうな気がする。

 

そこで、賛否はいろいろあると思うが、私なりの少々過激かも知れないが具体的な提案を行ってみたい。それは、一定の条件の範囲で「地方創生(再生)」の為に外国人労働者を受け入れてはという提案で、これを読んだ方からは是非意見をお聞きしたいと思う。

 

また、福井県の選挙区からは、自民党の政調会長の稲田衆議院議員にも秘書を通して、お伝えしようと思っている。 安部内閣が成立後、デフレ脱却を掲げ、大胆な金融政策で円高が是正され、東京市場の株価も大幅に値上がりした。

 

しかし、第三の柱となる成長戦略は具体的な成果は出ていない。

 

景気回復の恩恵も、地価が上昇した大都市や、東証に上場するような大企業は別として、地方や輸入に頼る中小企業では、実感出来ないのが現状だと思う。また、成長戦略の目玉として「地方創生」が提唱されているが、これまで、何度も名目を変え地方にお金をつぎ込んだが実現しなかった、ある面ではこれまでの時代の流れを逆行させる政策で、実現させることは生易しいことではないと思っている。

 

また、円高にこれまで各企業が痛めつけられたせいか、円安になっても国内製造業の輸出が伸びてこない。これも、成長戦略を考える上での誤算だったと思う。 かつて地方を支えた我々の所属する繊維産業だが、輸入浸透率は96%台、産業規模はこの20年間で四分の一に縮小している。

 

 

また、安部政権になった2年間でも縮小の傾向は変わっていない。 繊維製造業を経営し世界と競争する立場からは、円安になり海外と競争していく上で条件は緩和されたが電気代等のエネルギーコスト等でいまだにハンデキャップが多いと思っている。また、地方での一番の問題は、例え設備投資を行ったとしても、人が確保出来ないことだ。福井県大野市に、ジェフティというタテアミの子会社で生地を生産している会社があるが、そこでは人手確保が経営上の最大の問題となっている。

 

条件は、地元の大野市の中では良い方と思っているが、装置産業、24時間操業、輪番休日ということが災いして、人が育たず不足し、人手不足による機会損失が、大きな経営の課題になっている。 一方、同じ大野市にブログでも紹介した、縫製の子会社マックスがあるが、こちらも、日本人だけで50人を維持するのがやっとの状況が続いている。採算には目をつぶって歯を食いしばって頑張っているが、お客の多くは日本製のこだわっておらず、常に海外とのコスト競争と比較される為、給与等の条件は最低限に近い。

 

 

 

せめて、働きやすく、明るい職場で愛着を感じる人だけ働いてもらっているが、魅力ある求人条件を出せないまま高齢化だけが進んでいる。 そのような繊維産業の現状を考えると、他産業を含め人手確保の方策がないと地方の中小企業の存続は難しく「地方創生」どころではなく「存続」も難しいことになってしまう。

 

もちろん、繊維産業でも、衣料だけでなく産業資材やメディカル分野、また、ネット販売を通して日本の伝統技術を伝えるような商品の掘り起こしを行った成功例等もあるが、その様な成功例だけでは地方が創生することは難しいと思う。

 

むしろ、地方は、都会に比べ人件費の安い産業が存立してきたこと、産業の近代化の歴史では投資額が少ない軽工業から発展してきたことを考えると、地方の存続には繊維産業を復活させることが早道ではないかと考える。

 

また、繊維産業の付加価値は、他の2次産業とは見劣りはするが、それでも、第一次産業や一部の第3次産業よりは付加価値を生み出しており、地方の産業基盤の下支えになっていると思っている。

 

さて、提案した外国人労働者の受け入れは、劇薬ではあるし異論も多いと思う。

 

しかし、我々と競合する台湾や韓国の同業では、一定限度の制約の元で受け入れが進んでいる。日本でも海外研修生受け入れ制度という、ある面で外国人労働者受け入れ制度があり、首都圏の建設業を中心に人手不足の状況から、3年の受け入れ期間の延長が話題になっているが、制度の建前と実際の運用に差があり、過去不正も発生していた。

 

この際一定の制限と管理のもとに、明確に外国人労働者受け入れをすべきだというのが提案である。また、外国人が働き出すと日本人の雇用機会が奪われるのではという議論や地域の治安面で心配だという議論があるが、企業がしっかりと存族することで間接人員を含め、むしろ雇用創出の機会に寄与すると思う。

 

また、台湾や韓国でも滞在期間には限度を設けていて、深刻な問題が起こっているとは聞き及んでいない。 今回、当社が生産する商品の一部を国内の九州の五島列島や天草にある工場に依頼したが、その様な地域の再生、存続にも、提案のような制度が必要だと思っている。

 

また、末端の縫製産業が無くなることは、日本全体の繊維産業の衰退につながっている。

 

繊維を含めた製造業、また、建設業はもちろんだが、女性の社会進出を社会進出を後押しするうえでも、ホームヘルパーを海外から受け入れる事を含め、日本全体を空洞化させない成長戦略ために、今後この問題に真剣な議論を期待したい。