帝国データバンクの週刊帝国ニュース2/26に標題の特集記事が出ていたので紹介したい。資料は帝国データバンクが2021年1月時点の企業概要データベースの中から約94万社を抽出、分析したものである。
今回の調査では社長の平均年齢は60.1歳(前年比+0.2歳)と調査を開始した1990年以降、初めて60歳を超え、過去最高を更新した。調査を開始した1990年の平均年齢は54.0歳、2020年での社長の交代率は3.8%、年ごとに平均年齢は確実に上がっている。また、年代別の割合では、「60代」が構成比の27.3%で最大を占め、「50代」が26.9%、「70代」が20.3%となっている。
社長の平均年齢は年々上昇し続けており、70歳以上の現役社長も4人に1人の割合で珍しくはない。その一方で、後継者不在率は2020年時点で65.1%と高水準となっている。社長の年齢の高齢化と後継者の問題は、今後の日本経済にとっても大きな課題だと思う。
私自身のことで恐縮だが、父親が69歳で亡くなり31歳の若さで社長職を引き継いだのが35年前で、本年の11月で36年の在職となる。先々代の祖父が亡くなった年は、私が生まれた年と同じ昭和29年で67歳の時。父は69歳で、今から考えると長生きではない。父から引き継いだ時には二人の年齢までは長生きして頑張らなくては思っていたが、私の年齢もそれに近づいてきた。そのことを考えると、会社の将来をどの様にするのか、また、後継者をどの様にするのかを決めていかなければならない時期に近づいてきたと考えている。
一方、この2~3年、特にコロナの問題があってから、M&Aを仲介する会社からダイレクトメールが頻繁に届くようになった。どこで調べるか分からないが、中小企業のオーナー経営者を調べて郵送するのだと思う。このM&Aに関しては、売りたいという会社に比べ、買いたいという会社が圧倒的に多いようだが、M&Aという手法は、この社長の高齢化、後継者問題の解決策になると思う。
当社は、2018年12月に大阪中小企業投資育成会社の出資を受け入れた。当面の5年間は頑張って企業価値を高めることに邁進したい。その間、M&Aで企業買収ということはあっても、売却は考えていない。この期間に、後継者問題も解決していきたいと思っている。しかし、5年後の2023年時点で、社員の将来、企業取り巻く経営環境、そして後継者問題を考慮して、方針の見直しも必要と思っている。とにかく今は、企業価値を高めて、買いたいと思える会社にすることに専念すれば、後継者問題も解決すると思っている。