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BLOG2018.7.27
台湾

中国出張中、子会社があるところでは、ホテルも会社でも日本のテレビ放送を見る事が出来ない。もちろん新聞も無い為、情報源はスマホで見るスマートニュースがほとんどだ。今回の出張は西日本豪雨直後の7月10日からだったが、豪雨による被災状況が心配なのと、サッカーワールドカップ開催があり、ニュースをチェックする機会が多かった。

そのニュースの中に、今回の被災に対して、台湾市民からの義捐金が送られたとのニュースがあった。東日本大震災、熊本地震等でも、何時も台湾から真っ先に義捐金が届く。今回も対応が素早い。しかし、この様なことがある度に、隣国の韓国、中国と対日感情でどうしてこのような差があるのかと感じている。

私自身の台湾訪問の回数は少ない。90年代、台湾の資材を調達し、中国で製品化することがあり資材サプライヤーの工場を訪問したのと、また、通販業者向けにブラジャーを生産するため、台湾の本社に訪れたことがあったことが過去あった。最近では6年程前に、福井商工会議所が台湾の企業との交流を深める為、ツアーを組んだのに参加した程度である。その時の懇親会だが、特に親日的な人が集まったと思うが、とても和やかなパーティだったと記憶している。

6年前のことで記憶がかなり曖昧になっているが、台湾ナンバーワンの経編メーカーにも折角なので訪問させて貰った。その時、工場のある郊外の田舎町と田園風景が、日本の田舎と良く似ていて親近感を覚えたのと、その会社の会長夫婦の下の名前が、日本人そっくりだったのに驚いた。毎年のように日本の観光地や温泉には、夫婦で行くとのことで、とても親日的だった。

中国本土にも子会社があっても不思議ではない規模なのだが、海外進出はタイだけだ。理由は資力が無いからだというが、本音は分からない。台湾には、国民党と一緒に、中国本土から移住した人がいるが、深くは尋ねなかったが、国民党嫌いで、大陸から移住した本省人では無いようだった。

戦前、日本は台湾と韓国を、植民地として統治した。しかし、全ての台湾人が親日的とは思えないが、対日感情には大きな差があるように思える。当時の統治の方法にどの様な差があったのかは、戦後生まれの私には聞かされていない。もし、その事情に詳しい方がいれば教えてほしい。

現在、当社では、中国籍の中国人が3名、韓国人が1名働いている。かつては、台湾籍の中国人も採用したことがあった。福井経編の方には、昨年から台湾人を採用している。それぞれ優秀で、日本人が不得意の英語に堪能な社員も居り、海外工場の生産管理や資材調達等の業務を担って貰っている。

福井県の方で、海外からの観光客を誘客しようと、県と友好提携関係の中国浙江省に誘致活動を行ったことがあった。しかし、中国本土からの観光客はあまり増加していないようだ。最近では、台湾や香港の方に活動の重点を移しているが、小松からの台北便が就航したことから、台湾からの観光客は増加傾向のようだ。

今年の初めの頃だが、台湾の旅行ジャーナリストが寄稿した、タイトルが「青花魚」(サバ)という本が発刊された。内容は福井の田舎の家に民泊して、そこを起点に、比較的マイナーと思われる台湾人の目線で面白いと思われる観光地を紹介したものである。1週間程度の滞在を彼らの言葉でいえば「微住」というらしい。福井に住む私達にとっては、普段当たり前に写る光景の中に面白いと思われるものがあるらしい。余談だが、本の中での福井は「飛行場や新幹線も無い、日本の秘境」と紹介されている。

この本を、当社にいる中国人や経編の台湾人に見せて感想を聞いたが、中国人は興味が無かったようだが、台湾人の社員の方は大変良かったとの感想を寄せている。同じ中国人でも、感性の方はやや違うのだと思う。

現在の台湾の政権は、民進党の蔡政権となっている。国民党では無く独立色の強い政党の為、中国本土からは様々な圧力を受けている。その事も、親日的になる要因かもしれない。今回の義捐金の件だが、日本人の私としては本当に感謝している。ただ、日本政府の方は中国に遠慮してか、台湾からのラブコールに対しては、対応は冷たすぎると思っている。

当社の方は、直接子会社が台湾には無い為、私自身が商用で訪問する機会は無いが、間接を含め、仕入れ先として台湾系企業との取引がある。また、カンボジアでは、台湾系企業も多く親しくした企業もあり、台湾の人との交流は続いている。日本に地理的にも近く、心情も日本の良いところを理解してくれる台湾の人との交流は、今後も大切にしたい。